莢果堂通信



#5 年頭のご挨拶(2001.01.05)

 新年、あけましておめでとうございます。21世紀最初のお正月、みなさんはどんな気持ちで迎えたのでしょうか。保篠にとっては、莢果堂として初めて迎える正月でもあり、感慨もひとしおといったところです。

 さて、今年最初の莢果堂通信のテーマは、莢果堂の今年の抱負です。
 保篠が今年実現したいと思っていることが、いくつかあります。
 まず1つ目は、莢果堂の正式公開です。試験公開開始から1ヶ月半以上がたちましたが、正式に公開するめどはいまだたっていません。もちろん、今の状態でも公開できないことはないとは思うのですが。
 創作がメインのサイトである以上、新作のない状態で公開するわけにはいかないという意識が保篠にはあるので、新作を書かない限り、正式公開にはふみきれないのです。(だったら、こんなことを言っている間にさっさと書け、という感じですが。)なので、第1の目標は、新作を書く、ということになります。
 2つ目は、アクティブになる、ということです。なんというか、保篠はかなり出不精な質で、休日も家で過ごすことがほとんどです。映画やお芝居も、最近ではめったに観なくなってしまいました。
 これではいけない、と自分でも思います。もっと外に出て、いろんな刺激を受けなくては、感性も鈍ってしまうというものです。
 とりあえず今年は、面白そうだと思った映画を積極的に観るようにしたいと思います。
 3つ目は、自宅のインターネット環境の改善。諸事情により、自宅では携帯電話でネットに接続している状態なのです。回線速度は遅いし、電話代は高くつくしで、あまり落ち着いて接続できないというのが現状です。
 これはちょっとあんまりです。今年はなんらかの対策を講じたいと思います。

 そんなわけで、他にも課題が山積みの保篠ですが。できることから少しずつ頑張っていくつもりです。
 それでは、最後になりましたが、本年もどうか莢果堂をよろしくお願いいたします。


#4 莢果堂的クリスマス(2000.12.25)

 20世紀最後のクリスマス。みなさん、いかがお過ごしですか?
 クリスマスとはいうものの、社会人ともなると、別に休みになるわけじゃなし、他の日と特にかわりなく過ごすことが多くなってきます。ことに、私の勤める業界は残業が多いので、クリスマスでも帰宅が深夜になることもしばしば。そうなると、気がついたときにはクリスマスが過ぎていた、なんてことになってしまいがちです。
 これではいけない、とここ数年こころがけているのが、クリスマスCDを自分にプレゼントすることです。部屋の小さなツリーを見ながらクリスマスソングを聴くだけでも、少しはクリスマス気分を楽しむことができます。
 今年の1枚は、小野リサ「Boas Festas」。ボサノバなクリスマス。なかなかいい感じです。


#3 旧作について(2000.12.12)

 隠密生徒会シリーズ第四話まで公開したところで、旧作はとりあえず一段落です。
 他に、中学時代の短編数編と、戯曲が2つほどあるはずなのですが、今ちょっと見あたらないのです。それに、どう考えても人様にお見せできるようなレベルではありませんので、仮に発掘したとしても、公開することはないでしょう。

 さて、公開済みの旧作についてですが。これらは、基本的に発表時のもののままですが、若干手を加えています。といっても、誤字・脱字の修正や、誤り・気に入らない記述の訂正程度にとどめているつもりです。できることなら、かなりの部分を書き直したいところなのですが……。
 今回加えた修正点の中で、ちょっと特殊なのは、隠密生徒会第二話「新生徒会最初の事件」の、部活の話をしているシーンの修正でしょうか。公開している第二話では「政界の話題」「刑事事件」とぼかした表現になっていますが、say"A" vol.2掲載時には、具体的な事件名になっていました。それを今回修正したのは、そのままだと古くさい感じがするからです。say"A" vol.2がお手元にあれば、読みくらべてみると、懐かしい気分になれるかもしれませんよ……?


#2 20世紀カウントダウン(2000.11.30)

 11月も今日で最後。20世紀も、いよいよあと1ヶ月を残すのみとなりました。
 毎年、年末が近づくと、1年を振り返っていろいろと考えてしまう保篠ですが、20世紀最後の年ということで、今年は特に感慨もひとしおです。

 試験的にとはいえ、20世紀中に莢果堂の公開にこぎつけることができたのは、まあ良かったことと言えるのでしょうけど。でも、やっぱり、心残りなことの方が断然多い気がします。なにせ、新作がまったく発表できていませんしね。中でも一番悔いが残るのは、「闇のメサイア」を20世紀のうちに書くことができなかったということです。
 「闇のメサイア」は世紀末が舞台の話なので、ぜひとも20世紀が終わるまでに書いておきたかったのですが。残りの1ヶ月で長編を1本書き上げるなんて、今の保篠にはもう絶対に無理な話だし。

 でも、逆に言えば、まだ1ヶ月残っているわけですから、その1ヶ月でなにかできるだけのことはしておいて、その上で新たな気持ちで新世紀を迎えたいなと思っています。
 さあ、果たして、保篠は今世紀中に新作を発表することができるのでしょうか……?


#1 莢果堂のできるまで(2000.11.15)

 莢果堂通信の初回は、このサイトを開設するまでの経緯についてお話しようと思います。

 保篠が小説を書き始めたのは、中学生の頃でした。
 それまでの保篠は、お芝居が大好きな演劇少女で、自分が小説を書くだなんて、夢にも思っていませんでした。
 ところが、中学校の演劇部は、顧問が国語の先生だったため、「演劇部」ではなく、「演劇・文芸部」だったのです。お芝居をするだけではなく、小説や詩も書かなくちゃいけない。それで仕方なく、本当にいやいや書き始めた小説でしたが……ばっちりはまってしまいました。

 「保篠紗綾」というペンネームを使い始めたのはそれからまもなくのことです。

 最初は、ノートに書き殴ったものを、友達に見せているだけでした。書くこと自体が楽しかったので、周りの人に見てもらうだけで、十分だったのです。
 事情が変わったのは、高校に入ってからでした。高校でも演劇部に入部した保篠でしたが、この演劇部の部室は、漫研と共同でした。そこで、漫研の人たちと仲良くなり……「個人誌」というものの存在を知ったのです。
 個人誌を作って、友達だけでなく、いろんな人に読んでもらう。それは、とても魅力的な考えでした。
 そこで、作成したのが、「say“A”」という個人誌でした。といっても、コピー本なのですが。それでも、漫研の友人たちに協力してもらってできたその本を手にしたときは、本当にうれしかったです。
 この「say“A”」は、それから約5年の間に、4号まで発行しました。途中、雑誌の同人誌紹介コーナーに掲載していただいたり、友達の参加している同人誌即売会にくっついて行って売ったりしたこともあって、いろんな人たちに読んでもらうことができました。

 ところが、その後就職してからというもの、保篠紗綾としての活動は、完全にストップしてしまいました。
 再開したいという思いを抱えつつ、書くことのできない日々が、随分続きました。仕事が忙しいから仕方ない、自分にそう言いきかせる日々でした。
 でも、そんなのは言い訳に過ぎないこともわかっていました。どんなに忙しくても、本当に書きたい気持ちがあれば、空いた時間をみつけて書くことができるはずです。それができないのは、私の気持ちの問題です。……実際、ブランクが長くなるにつれ、ふたたび書き始めることが億劫になっていたのは、紛れもない事実でした。
 保篠紗綾としての私は、もうこれでおしまいかもしれない。そう思ったこともありました。

 そんな私に、保篠紗綾としての新たな局面が訪れたのは、去年のことでした。

 高校の漫研の友人が立ち上げた、漫研・演劇部合同のOB会のホームページの企画で、まわし小説をすることになったのです。特に順番を決めず、書きたい人が続きを書く。長さも特に制限なし。そうして始まった、まわし小説でした。
 トップバッターに指名された私は、第1話を書きました。久々に書いた小説は、うまく言葉がでてこなくて、100%満足のいく出来ではありませんでした。それでも、何年かぶりの「書く」という作業は、とても楽しいものでした。とはいえ、その時点では、続きを書く、という意識はあまりなく、しばらくは様子を見るつもりでいました。
 ところが、後輩のとくぢろうくんの書いた第2話を読んだとき、はげしい気持ちが生まれました。「書きたい」という思い。長い間忘れてしまっていた、忘れたと思っていた気持ちでした。
 ほとんど衝動的に、第3話を書き上げました。私の中で眠っていた、「保篠紗綾」が目覚めた。そんな感じでした。
 (ちなみに、このまわし小説は、本編をとくぢろうくんと私が交代で書いて、現在第7話までできています。他にも、別のメンバーが続きを書いたαとβがあります。いずれも未完です。)

 ふたたび芽生えた、「書きたい」「いろんな人に読んでもらいたい」という気持ち。といっても、「say“A”」を以前のような形で復活させるのは、ちょっと無理があります。でも、別の形、たとえばインターネット上で、保篠紗綾のサイトを開設して、そこで小説を発表できたら……。

 そんな思いから、「莢果堂」は生まれました。まだまだ試行錯誤の段階で、新作を発表するめども、実はついていません。それでも、新生・保篠紗綾と莢果堂が、いつまでも活動を続けられるように、地道に頑張ろうと思います。長い目で見守っていただければ、と思っています。
 これからの莢果堂を、どうぞよろしくお願いします。



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