莢果堂コレクション


このページでは、私のお気に入りをご紹介します。


  • おすすめの小説、漫画、雑誌など。しかし、こうやって書き出してみると、自分の読む本がいかにジャンル的に偏っているか、よくわかりますね。

    ・「狐罠」 北森 鴻 講談社文庫(推理小説)
     「莢果堂」としては、最初にこの本を紹介しないわけにはいかないでしょう。というのも、「莢果堂」という屋号をつけるきっかけとなったのが、この本だからです。
     骨董業界に身を置くヒロイン宇佐見陶子が、贋作事件をきっかけに、殺人事件に巻きこまれていく、というストーリー。
     この陶子さんというキャラクターが、とてもいい。彼女に協力するカメラマンの硝子さん共々、したたかでたくましい。ちょっと憧れてしまうくらい。
     で、その彼女の屋号が、「冬狐堂」というのですね。おかげで、読み終えたときにはすっかり影響されてしまっていた保篠が、その直後の誕生日に自分に対してプレゼントしたのが、「莢果堂」の屋号、というわけです。
     ちょっと分厚い本ですが、一気に読めます。おすすめです。

    ・「いちばん初めにあった海」 加納 朋子 角川文庫(推理小説)
     この本は、ハードカバーで出たとき(ほぼ4年前)に買って読んだのですが、この春に文庫化されたので、購入して再読しました。そして……初読の時と同じところで、泣いてしまいました。
     見覚えのない一冊の本、その中にみつけた一通の手紙をきっかけに、堀井千波は自らの過去をたどり始める──。
     とてもせつなくて、そしてとてもやさしい物語です。

    ・「黄昏のカーニバル」 清水 義範 講談社文庫(SF短編集)
     普段SFはあまり読まないのですが、そんな保篠にもとても読みやすい短編集です。
     中でもおすすめなのは、やはり「デストラーデとデステファーノ」でしょうか。ラストの時間が逆流する世界で、「ええかげんにせんか」といなされておとなしくなってしまう星野監督がほほえましい。
     個人的には、おじいさんが宇宙人とコンタクトをとる、「嘉七郎の交信」も好きなんですけどね。ツブツブと話しかけてくる宇宙人、困惑してうろたえる嘉七郎おじいさん、彼を心配する家族たち……。
     保篠は、この著者の独特の語り口が非常に好きなのです。

    ・「泣きの銀次」 宇江佐 真理 講談社文庫(時代小説)
     テレビドラマ化もされた「髪結い伊三次」シリーズの著者の描く、人情味あふれる物語。
     妹お菊を殺した下手人を探すため、大店の若旦那という身分を捨て岡っ引きになった主人公銀次が、めざす敵を探しあてる、というのがメインのストーリーですが、この中で描かれる江戸のまちや、そこに暮らす人々など、なんともいえない情趣にあふれています。

    ・「ミミズクとオリーブ」 芦原 すなお 創元推理文庫(推理小説)
     直木賞受賞作家である著者の、連作推理小説集。
     作家である語り手「ぼく」の奥さんが探偵役となり、様々な問題を家にいながらにして解決していきます。その見事な安楽椅子探偵ぶりもさることながら、彼女の作る数々の家庭料理が実においしそうで、なんともいえません。私も、こんな料理上手な奥さんと郊外でのんびり暮らしたいなあ、と思ってしまいます。無理だけど。

  • 音楽
    おすすめCD、アーティストの紹介。

    ・鈴木 祥子
     最近いちばん好きなアーティスト。KYONの「優しい雨」の作曲者で、PUFFYの吉村由美に「わたしの望み」を提供したりもしてます。昔から気に入ってはいたのですが、ここ数年で気に入り度がジャンプアップ。
     詩もメロディも、声もとてもいい。
     アルバムとしては、最近のものでは「あたらしい愛の詩」(1999年)あたりがおすすめでしょうか。まあ、基本的にどのアルバムを聴いてもはずれはないと思いますが。

    ・野田 幹子
     この人の曲から物語のイメージがふくらむ、ということが保篠にはよくあります。歌詞やタイトルに、なにかイメージを喚起させるものがあるのでしょうか。
     残念ながら、彼女はここ数年歌手活動をしていないようです。ソムリエールになったという噂を以前聞きましたが……本当なのかな。


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